あるマッサージチェア販売担当者の日記1 | グロブ←

あるマッサージチェア販売担当者の日記1

7番は不採用。w

 

今日からスーパーの一角でショーセールを担当することになった。
都合の良い事に近くの家電量販店は休みや。来週新規オープンするライバル店の対策で。


来店者は多いものの、狙っていた客層が若干違うようやな。
座りに来る客は、ただマッサージをしていくだけで契約してくれへん。
夕方の休憩後、年配者の接客をしていると 若者が入ってきよった。
私には目もくれず、10台ある機種を物色するでもなく、迷わず製造中止でホームページにも載っていない在庫処分品に座ったがな。


また、マッサージするだけかいな!金も持ってへんくせに!
お前にマッサージの気持ち良さが分かるんか!


期待していたお客も「置くところが ねぇ…」と言って去ってしもうた。
お前も無料マッサージ目当てだったんかい!
少しムカムカしてきたので…そうや!若者をいじめて遊ぼ。


「最近 若い人が座るんだけど。どぉしてぇ~?」


ムフ。フレンドリーな俺。
親父から金出させれば、問題なしや。


「腰が痛い」


顔をしかめながら返事しやがった!
くそ。こいつ、俺をウザがってるな。


「そんなんじゃ 腰に当たらないよぉ」


背もたれを最大に倒す。
ウチの製品は この古い機種から水平近くまでリクライニング出来るのがウリなんや。


「ほら。良くあたるでしょ。」


うひょ。サービス満点。
でも、相変わらず顔しかめてるなぁ。
早よ どっか行け 言うてるみたいや。


「腕は設定した?」
「う、腕?」


腕の設定...っと。
おう。動き出した。これで準備完了。
エアー最大にするでぇ。
これの痛さは会社でも ちと問題になったしなぁ。
これで逃げ出すはずや。
近くにいると殴られるかもしれんからな。逃げとこ。


ギュイ~~ン
締めとる。フフ。意外と鈍感やな。
おう!慌てて起きよった。これで逃げてくな。商売再開っと…
ん。また寝よった。はは~ん。慣れてるな。
ま、殴られるよりマシや。


リモコンを確認。
やっぱり。元に戻しとる。
こりゃ買わないな。
話しかけてこない所をみると、気づいて無いな。
ここでまたエアー最大にするとワザと設定したのがバレるから、やめとこ。

 


おう。終わったみたいや。背もたれ戻しよる。
やっぱり慣れてるわ。靴も横に並べとったしな。


「気持ち良かったでしょ。買ったら毎日出来るよ~ん」
「フン」


目も合わせずに行きよった。
やっぱ痛かったんや。
まぁ。面白いもん見れたから良しや。次次!

 

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